前総理大臣の持病として注目を浴びていた潰瘍性大腸炎。
この病気は国により難病指定されているような病気ですが、
その大きな分類は、炎症性腸疾患という病気の1種類になります。
同じように炎症性腸疾患で難病とされているのがクローン病。
今回はこの両者の違いを見ていきましょう。
どちらも腸の病気
潰瘍性大腸炎もクローン病も炎症性腸疾患に分類される腸の病気。
下痢、下血、体重減少などの特徴は類似しますが、その違いを簡単に見ていきましょう。
潰瘍性大腸炎はその特徴として、直腸から広範囲に炎症が広がっていくという点。
連続性のある炎症が特徴で、最大では結腸全体に広がることもあります。
潰瘍性大腸炎はその特徴として、直腸から広範囲に炎症が広がっていくという点。
連続性のある炎症が特徴で、最大では結腸全体に広がることもあります。
クローン病
クローン病は口腔から肛門に至るまでの消化管に発生する潰瘍性の炎症。
潰瘍性大腸炎と違って非連続性という特徴を持ち、部分的に発生します。
潰瘍性大腸炎とクローン病の統計的な違い
では次に、潰瘍性大腸炎とクローン病の統計的な違いを見ていきましょう。
※厚生労働省
患者数は潰瘍性大腸炎のほうが多い。
まず患者数は、2014年の段階で潰瘍性大腸炎が170,781人、クローン病が40,885人となっています。
数としては潰瘍性大腸炎が圧倒的に多く、その数は年々増え続けています。

知り合いも潰瘍性大腸炎の人が多いよ!
クローン病は若い人に起こりやすい
潰瘍性大腸炎の年齢分布は10~20代に多く、あとはなだらかに減少していく傾向となっています。
一方クローン病は、10~20代に多いのは同じですが、その分布は極端に若年層に多くなっている傾向です。
炎症性腸疾患の世界的分布
潰瘍性大腸炎やクローン病を含んだ炎症性腸疾患は、多く西洋諸国に分布しています。
日本でも患者数は少なくはありませんが、世界全体を見ると両者とも少ないと言えますね
では次にその治療方法を見ていきましょう。
根本的な治療方法はない
まず前提として、両者とも根本的な治療方法はありません。
ある意味対処療法的な治療が中心となっています。
基本的な治療法方も似ている
両者とも炎症性腸疾患ですので、基本的な治療方法は似ています
お薬での治療の場合は個人差がありますが
腸をなるべく安静にさせる事は共通しています
動物のタンパク質を減らし植物性蛋白や魚介類でタンパク質を摂取すること
また糖質はエネルギーのもととなるため主食をしっかりと摂取するなどが共通しています。
ただ、食物繊維に関しては、
寛解期は積極的にとるという点では同じですが、活動期には若干異なります。
潰瘍性大腸炎の場合は、食物繊維や消化の悪い食品を避けるのが基本。
しかし、クローン病の場合は狭窄や通過障害がなければ
食物繊維の制限がないなどの違いがあります。

クローン病も潰瘍性大腸炎も
体調が悪い時は注意が必要だよ
詳しい違いは専門医に相談
潰瘍性大腸炎とクローン病は、似ているようで違う病気です
その、治療法なども違いますし、薬剤に関しては個々では触れませんでしたがそれも異なります。
詳しくは専門医を受診して確認することが大切です